お隣さんとの境界線問題は外構のトラブルで1番多いものになります。境界ブロックはお隣の土地との境界線で仕切りの役目を果たしますが、設置やメンテナンスの際にトラブルの種になることもしばしば。今回は境界ブロックで起こりうるトラブルや、その対策について詳しく紹介します。
ブロックは「内積み」「芯積み」「外積み」の3タイプがあり、それぞれ所有権や費用が異なります。
境界線より内側に積む方法です。自分の敷地内に積むので設置費用も自分で全額負担するのが一般的で、所有権も自分になります。好みのデザインを選べ、ブロックの上に設置したフェンスに飾りつけするなど、好きに手を加えることができます。
ブロックの中心がお隣との境界線になるように設置する積み方です。費用は一般的にお隣さんとの折半になるので、負担は小さくなります。また境界線上にブロックを積むことになるので、互いの土地に少しゆとりが生まれます。
所有権は費用を出し合った両家 になりますので、勝手に好みのデザインにしたりすることはできません。
自分の敷地内にはブロックが設置されておらず、お隣が内積みをしている状態です。設置費用は隣地所有者が負担することになります。所有権もお隣さんです。
コンクリートブロックというとグレーで無機質なものを想像するかもしれませんが、デザイン性を重視した「化粧ブロック」も使うことができます。
メーカーから出ている商品をいくつか紹介します。
「シャモティ」
エレガントな風合いが特徴的な化粧ブロックです。和風洋風問わず様々なお住まいに調和します。
カラーや表面の加工パターンもいくつか種類があるので、お住まいの雰囲気に合わせてお選びいただけます。
「ジャスティ」
コンセプトは”ちょうどいい”。普遍的なシンプルさを持ちながら、ラインと色調の豊かな表情であらゆる暮らしにジャストフィットします。カラーはシャイングレー、アーバンベージュ、オータムブラウンからお選びいただけます。
通常のコンクリートブロックのみで仕上げた場合、どうしても殺風景な印象になりがちです。しかし化粧ブロックの場合、フェンスなどと組み合わせてオリジナルデザインに仕上げることが可能です。
境界にも化粧ブロックを積むことでお住まいのデザイン性を高めてみませんか?
ブロックを高く境界に積んだ場合、お隣の通気性や日当たりに問題が生じる可能性があります。
反対にお隣さんが高いブロックを積んでこちら側に問題が起こる可能性も。
このようなトラブルを避けるために、設置前に早めにお隣さんとしっかり話をしておくことが大切です。
またブロックを低くしフェンスを設置する方法もおすすめです。
費用が隣地所有者との折半になる芯積みは、お隣さんとのトラブルに発展しやすいです。
共有財産なのでどちらか一方の独断で設置したり、修繕や取り壊しを行うことはできません。
また基本的に修繕費用等は両者の折半ですが、こちらが修繕の費用を全額払うと言っても、お隣さんが拒否した場合には修繕をすることすらできません。
このようなトラブルの対策は以下の通りです。
・費用負担額のルールを確認
芯積みで境界ブロック工事を行う場合でも、設置費用は必ずしも折半しなければならない、というわけではありません。
どちらかが高額な境界の設置を望んでいる場合、そちら側がより多くの費用を負担することが望ましいです。
・合意書を取り交わしておく
境界ブロックの管理体制等について、両者が納得できる内容の合意書を作成するのもおすすめです。
将来土地の所有者が変わった時にも、トラブルへと発展しにくくなります。
自分の敷地だと思って境界ブロックを設置したら、お隣さんから「そこはうちの土地だ」とクレームがきた、というケースがあります。その多くは境界の誤認が原因である場合が多いです。
実際の土地の状態と地積測量図の内容が異なるために起こります。
このようなトラブルの対策は以下の通りです。
・事前に境界線を明確にしておく
のちのトラブル防止に必須です。筆界確認書でそれぞれの土地の所有者が「境界についての合意を交わした」という証明を残しておくのも有効です。
またトラブルにまで発展してしまった場合には、以下の解決方法があります。
・土地家屋調査士に正しい境界線を確定してもらう
・筆界特定制度を利用する
この制度は法務局の筆界特定登記官が現地の土地の境界を特定する制度です。
公的な判断として境界の位置を明確にできるので、トラブルの解決につながりやすいです。
費用が民間の土地家屋調査士に依頼するよりも安くなるケースもあります。
近年はブロックを低めに重ねて、その上にアルミ製のフェンスを設置した塀が多いですが、住宅密集地等では倒壊の恐れがある老朽化したブロック塀がまだ残されている場合があります。
ここでは老朽化した危険なブロック塀の見分け方を紹介します。
倒壊に結びつく致命的な現象です。撤去や修繕の必要があります。
外観の損傷は性能の低下を表します。内部へと雨水が入りやすくなり、埋没された鉄板がもろくなる原因になります。
透かしブロックとは穴の開いたコンクリートブロックのことです。通気性や装飾性を上げるために使われますが、使用数が多いと耐久性は劣ります。
隣地との境界にブロック塀を作る場合には、2メートル以下となるのが通常です。
メンテナンスをしている場合でも、倒壊の危険があります。
今回は境界ブロックで起こりうるトラブルや、その対策について詳しく紹介しました。
境界についてはトラブルになりやすいため、所有権や費用についても考えながら早めにお隣さんとお話しすることをおススメします。そのお話が良い関係の構築にもつながっていくかもしれません。
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